どのように成長するの?

成長する時期は3回ある

子どもの体はすべての部分が一時に成長するわけではありません。ただ、一般的には3つの時期でいろいろな部分が成長しながら、大人の体になっていくとされています。そのタイミングとは、3歳から小学生にかけて、中学生期、高校生期の3回です。

最初の小学生までの時期におもに成長するのは、脳と体を結ぶ神経系です。さまざまな遊びや運動をすることで、運動神経のネットワークが刺激され、一生を通じて役立つ運動能力の土台ができます。

次が思春期とも呼ばれる、成長ホルモンの分泌が最も盛んになる時期。女子は小学生の後半から始まることも多いのですが、中学生になると男子もそれに追いつきます。身長などの外見に影響する骨格だけでなく、内臓も大人に向け急激に成長します。

そして高校生期。身長の伸びは緩やかになっていき、体全体が成熟へ向かい男女の差がはっきりとわかるようになるのです。

「骨端線(こつたんせん)」が成長のカギ

突然ですが、どうして身長は伸びるのでしょうか。それは、骨が育ち長くなるからです。生後1カ月くらいの赤ちゃんの身長は、50cmくらい。それが4歳くらいには倍を超える100cm程度になります。その次に大きく伸びるのは思春期です。

身長が伸びるメカニズムには骨と骨をつなぐ軟骨の「骨端線」が関係します。小学校高学年から中学年くらいまでは、骨端線が非常にやわらかく、思春期に分泌されるホルモンによって刺激を受けて大きく伸びるのです。その頃の身長の伸びは、男子が1年で10cm、女子でも5~7cmほどとされます。中学期はまさにその伸び盛り。その後は、次第に骨端線が固まっていき、身長も徐々に伸びなくなっていきます。

成長ホルモンを分泌させよう!

ここまで、身長を伸ばすためには骨端線を成長させればいいということをザックリと解説してきましたが、おわかりいただけたでしょうか。ここでは子どもの成長のカギとなる骨端線を伸ばすための具体的な方法について紹介します。

一般にはタンパク質やカルシウムといった骨の形成に必要な栄養素を摂ることが大事です。そしてこのことに加え、「成長ホルモン」と「甲状腺ホルモン」「性ホルモン」の3つのホルモンを活性化させることも求められてきます。なかでも一番大切なのは成長ホルモンで、その分泌量が増えることで子どもの身長をより一層伸ばすことができると考えられています。脳下垂体から分泌される成長ホルモンは、骨の成長を促進させる成長因子をつくり出す働きがあるからです。

成長ホルモンが最も分泌されるのは、睡眠が深いときだということが知られています。そのため、眠りについてから最初の3時間程度に熟睡することがポイントです。逆に、浅い眠りでは、このホルモンは分泌されにくくなるので注意しましょう。